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感想戦 2 ITTF Finals 2020/11/19-22

R16 伊藤美誠 4-1 DOO Hoi Kem
まずは 2019年低迷したDOOの復調具合
上半身のどこかの故障と見ていたが
不調があまりに長いので精神的要因もあったのか
当時よりは元に戻った感はあるが
やはり力強さが減少して強打が弱い
DOOの打球を受ける伊藤にも余裕が感じられた

伊藤美誠に対してはロングサーブ戦術を多くの選手がとるように
DOOも多用したが 中国TOP陣ほどの威力がないので
伊藤は苦にしなかった
そして この試合では伊藤の意識の変化が見られた
第3G 2-0からDOOのLサーブを
回り込んでストレートに強打してエースを決めた

伊藤のLサーブへの回り込みは見慣れているが
ストレートへ決めたのははじめて見た気がする
また レシーブのバックプッシュも数回ストレートへ打ちこんだ
この相手フォア側へのストレート攻撃ができると
戦術の幅が非常に広がる

問題は 中国TOP陣の力強い打球をストレートに返せるか
DOOのフォア前への巻き込みサーブが最終Gまで効果的で
エースや3球目攻撃で得点できた
ラリーに関しても 広角に振る意識があって
伊藤美誠 としては会心の試合だった

QF 伊藤美誠 4-3 WANG Yidi
WANGは派手さはないが 左右の守備範囲が広く
ラリーに強い選手 もう世界ランク10位まで上がってきた
去年は1勝1敗
WANGもロングサーブが多めだったが
伊藤はそれほど苦にしなかった
ただし ストレートにレシーブするのは難しかったか

レシーブでは再開後あまり見なかった変則チキータを
しばしば使ってWANGのミスを誘った
最後の得点も変則チキータをWANGが打ち損じてだった
W杯のSUN Yingsha戦ではレシーブがバックプッシュがほとんどだったのが
改善された

サーブは相手のフォア前に
定番の巻き込み→ミニトマホークと試して
右腕でボールを覆うオイスターシェルサーブが
ようやくWANGに効いて
組み立てやすくなり 最終Gまで有効だった

ラリーは第3Gまで 主にバック対バックの高速ラリーで張り合い
WANGがやや優位な展開だった
特に第3Gは超高速ラリーをむきになって張り合っての競り負けだったが
第4Gからは 緩いナックルか下回転の打球をラリーに織りこみ
高速で打ち気のWANGのタイミングを惑わせた
ラリーの総得点はWANGかもしれないが
伊藤の速攻が随所で決まり 納得できるラリーだったろう

SF 伊藤美誠 0-4 WANG Manyu
2019年10月のスウェーデンOPで伊藤が4-1で勝利して以来
この1年の伊藤は 打倒CHEN Meng・SUN Yingshaで精進してきて
WANGの存在は頭になかったろう
この試合も 去年までのWANGのイメージで臨んだと推測する

休止後のWANGは 両ハンドとも高い打球点の攻撃型に変身していた
第1Gは中国選手は様子見が普通だが
開始早々からチキータを交えて先手攻撃されて 伊藤が戸惑った
また 旧WANGならタメがある分タイミングは伊藤の方が早かったが
伊藤への返球が伊藤に匹敵する高速で戻ってきて
伊藤の旧WANGのイメージのタイミングでは対応できなかった

(ツイートの返信分
伊藤がWANG Yidi戦以前に
Manyuに時間を割いていたとは思えないが
Manyuの変身を事前に知ったとしても
タイミングは実際に対戦しての感覚で
今回はイメージがないから手も足もでなかった
数回対戦するなかで対応できるはず
伊藤に対してのロングサーブ戦術はどの選手も使うが

中国TOP陣以外には初見でも対処できる
中国TOP陣への対応がわかっていても難しいのは
相手の能力が高くて 頭で理解していても
からだが反応して打ち返すのがおいそれとはいかないから。
スポーツはイメージと現実の動作をいかに一致させるかでしょう
と ラケットをもったことがない素人の講釈でした)

WANGの対伊藤の研究が深く
1年前に勝利したときのフォア前へのショートサーブがあまり効かず
回り込んでのチキータ攻撃もあり 使うサーブに困った印象
Yidiに効いたオイスターシェルはほぼ使わず
もう劣勢なのでオイスターはあえて隠した感もある

伊藤美誠の完敗といえる内容でも
相手のフォア側へ振る広角打法の意識はあった
ただし 長身のWANGにほぼ対応されてしまったのが誤算
レシーブはミドル攻めに対してバックプッシュ一辺倒ではなく
WANG Yidiに通用した変則チキータやカットブロックも試行して
レシーブの幅は広がるだろう

WANGへは今後数回対戦しながら対策を練る必要があるが
今回は効かなかったフォア前へのショートサーブの開発
同じく 対応されてしまったフォア前へのレシーブの改善
左右へ振る広角打法は 手足の長いWANGは対応してくるので
ミドル・フォアミドル攻撃を主体とした展開を考えるべきか

LIU ShiwenがWTT macaoに不参加になって
五輪代表はWANG Manyuと五分五分にまで下がった印象
世界ランクの低いWANGはCHEN Meng・SUN Yingshaを抜かない限り
シングルスに出場する可能性はほぼないはずで
伊藤はこれまで通り打倒CHEN Meng・SUN Yingshaの練習でよい

優先順位はCHEN Meng・SUN Yingsha→WANG Manyu→LIU Shiwen
2TOPを倒せればWANGにも通用するのであって
WANG対策は五輪代表に決定してからでも十分間に合う
五輪後はSUN Yingsha・WANG Manyuの2TOPが
伊藤のライバルになる

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2020-12-07 07:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

感想戦 1 女子ワールドカップ 2020/11/08-10

R16 伊藤美誠 4-1 JEON Jihee
JEONにネット・エッジが多くつき
加えて 中国人審判の伊藤不利判定が3回くらいあった
1回はJEONが誤審分の1点を伊藤にプレゼントした
3G目からJEONのフォアへのショートサーブが効き
サービスエースや3球目攻撃が決まりだして
あとは伊藤ペース

QF 伊藤美誠 4-0 CHEN Szu-Yu
この試合が一番伊藤らしさがでた
CHENが伊藤の球の回転をよく読めず
レシーブも返球もヒットしないことが多く
伊藤には楽な展開
広角に振る意識が強く うまく決まっていた
JEON Jihee戦からBHの長いツッツキを多用
練習をしてきたのだろうが
現段階ではそれほど効果的ではなかった

SF 伊藤美誠 2-4 SUN Yingsha
休止期間後の対戦は課題のできた試合だった
サーブ
伊藤のロングサーブも対戦を重ねてずいぶん慣れられた
攻略計画で指摘したショートサーブが機能しなかった
巻き込みほかを使ったが
SUNは ラリーに持ちこめば打ち勝てる自信があるから

SF 伊藤美誠 2-4 SUN Yingsha
強振しないで丁寧に返すだけでストレスがない
伊藤としては 1・2戦のように相手のフォア前へ効くサーブを開発するのと
SUNはフォア前はほぼショート系で伊藤のミドルかバックへ安全に返すから
そこから先手をとる戦術を考えるべき

レシーブ
SUNとは対照的に窮屈な対応に終始した
SUNは伊藤のミドルへのロングサーブ戦術を去年から継続
伊藤は 回り込み2回ほどのほかは
ほぼバックプッシュ一辺倒だが失敗が多かった
成功率が5割以下のBPならば
SUNはひたすらロングサーブを打つだけで
得失点はプラスになるのであり 実際そうなった

たぶん練習期間で 伊藤はBPに磨きをかけて
相当の自信があったのだろうが
練習パートナーと実際の中国選手とは異なるのに
成功率半分以下の戦法に固執しすぎた
確かに決まれば1点の威力はあるが
ほかのレシーブも使うべきだった

特に 相手のフォア前へのショート系レシーブが必要だったが
伊藤としては そこからのラリーでは勝つ自信がなかったのだろう
ラリーに自信のあるSUNがレシーブを安全に返すのとは正反対に
エースを狙う対応に終始した
しかし 最善策のBPがうまくいかない場合
次善策(B案)を試すべきで

SF 伊藤美誠 2-4 SUN Yingsha
この試合に限っては 伊藤はあまりに
エースや3球目攻撃の少ない手数で決める一撃必殺にこだわって
自身の戦術の幅を極端に狭めてしまった
逆チキータ以外の小技もださず
1・2戦で多用したBHのロングツッツキも
ほとんどなかった
自分は対中国用と見ていたのだが

SF 伊藤美誠 2-4 SUN Yingsha
好調時ならばBPがバンバン決まって互角の戦いになるが
この試合のように得点率が低い場合は ほかの展開も必要
フォア前へのレシーブではエースはとれないが
SUNを動かしてからの展開で得点する戦術をB案としてもたないと。
これはSUN以外のロングサーブ戦術を使ってくる選手にも必要になる

SF 伊藤美誠 2-4 SUN Yingsha
フットワークの強化でラリーにも自信をつけたはずが
伊藤がSUNとのラリーを嫌がっているのが見えていて
SUNは余裕をもって戦っている
分が悪くともラリー上等で挑んでいくなかで
自分の得意な速攻につなげる工夫が必要だろう

3決 伊藤美誠 4-0 HAN Ying
自分の記憶では
2016年のGFでHAN Yingに敗北して以来
カット型には無敗のはず
いまは佐藤瞳がカット型世界№1といえるが
HAN Yingも復活してきた
東京五輪も出場するだろうから対戦できたのはよかった
試合は一方的だったが

F CHEN Meng 4-1 SUN Yingsha
壮絶ラリーを見るにつけ
早田ひなほかドライブ型選手は
あのレベルで中国選手を倒さねばならないということ
伊藤美誠がいかに異端であり 異端であるが故に
中国選手にドライブ型よりは勝ちやすいことがわかる
いずれにしろ中国選手との対戦を多くすることが攻略のカギ

まとめ
レシーブエースや3球目攻撃の
少ない手数の攻撃にこだわりすぎて
伊藤本来の多様さが影を潜めて
柔軟な考え方ができなくなっていた
練習と実戦とは別物で 思い通りにいかないのが現実
そのなかでB案を試していく余裕が欲しい

SUN Yingsha・CHEN Mengに対して
サーブではフォア前へのショートサーブの新種と
安全に返された場合の展開で得点する戦術
レシーブではロングサーブ戦術に対しての
相手のフォア前へのツッツキやカットでの対応と
そこからのラリー展開での戦術
回転の変化と広角に振る意識がカギ




2020-11-16 07:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 17 中国攻略計画 その2

中国攻略計画 2020/07/20 記事
から3か月経つうちに 大会はないのに状況の進展が見られた
また 11月から大会も開催されるので 新記事をUP

①中国国内大会

②CHEN Meng

③SUN Yingsha

④まとめ

①中国国内大会
国際大会が一切中止されているのに状況が進展したのは
中国国内で8月東京五輪模擬大会・10月全中国選手権があり
中国女子の位置づけが微妙に変動したからだ
LIU Shiwen・DING Ningが2大会とも欠場
LIUはさらに11月のW杯も辞退した
模擬大会は欠場も全中には出場したZHU YulingもW杯を欠場

東京五輪代表の観点からは
CHEN Mengとともに SUN Yingshaがほぼ確定
ほぼ落選組はZHU YulingにつづいてDING Ningも濃厚
さらに LIU Shiwenも微妙になってきた
LIUの大会復帰次第だが 代表に決定しても
リオ五輪のようにシングルスに出場できない可能性もある

伊藤美誠の視点では
LIU Shiwenには優勢であるので LIUの出場は望むところだが
CHEN MengとSUN Yinshaをシングルスの仮想敵にして
残りの期間を練習すべきだろう
そのCHENとSUNに焦点を当てて考察していく

②CHEN Meng
東京五輪模擬大会ではSF WANG Manyu・
3位決定戦 WANG Yidiに敗北して まさかの4位
全中国選手権でも団体戦でHE Zhuojiaに負けて
WSも厳しいと予測されたが
SF WANG Manyu・F SUN Yingshaに勝利して優勝
CHENの強みと弱みが明確になってきた

CHEN Mengの強みでは
模擬大会のSFで
前陣の両ハンドで頑張るWANG Manyuに遅れて敗北したが
全中 SFでは前回と同じように速攻を仕掛けたいWANGに
フォア側はサーブも含めて
バウンドした球が台をでるかでないかにコントロールしたため

WANGが強打できずに甘く返したところを痛打
全体的にも ストップなどの軟打で打ち気にはやるWANGに速攻をさせず
CHENのペースに引きこんで勝利した

全中のCHEN Mengは FのSUN Yingshaに対しても
SUNの打点の高い早い展開をさせず
CHENの間合いでの従来型のラリーに終始した
素人の自分にはよく分析できないが
伊藤によると「ドライブが不思議な重さ」らしく
SUNをもってしてもやや引いて受けるしかなかったのか

第3G後半には ドライブ型同士にもかかわらず
促進ルールが適用されるほど進行の遅い展開となったが
完全なCHENの間合いのラリーだった
カウントの声にも集中力を欠いたSUNに4-0勝ち
速攻を封じる頭脳戦を仕掛けられるのはCHENくらいだろう
また 上回転主体のラリーには無類の強さを発揮できる

CHEN Mengの弱みは
模擬大会のSFでは 調子自体もいまひとつだったが
前陣の両ハンドで頑張るWANG Manyuに遅れて敗北
カタールOP Fの第1Gで伊藤美誠に様子見して
伊藤の速攻にやられ放題だったのを思いださせた
王道ドライブ派のCHENが速攻に弱いのは確かで
だからこそ相手の速攻を封じる戦術をとる

模擬大会の3位決定戦では
WANG Yidiのサーブの回転がよく読めず 先手をとられた
全中の団体戦でも 仮想伊藤美誠のHE Zhuojiaが
各Gの最終盤で 逆チキータを繰りだした
伊藤ほどの切れ味はなかったが
CHEN Mengの返球の失敗のほうが多く HEにまさかの敗北を喫した

つまり CHEN Mengは球の回転を把握するのが苦手で
うまく対処できないことが多い
WANG ManyuやSUN Yingshaのドライブ型の速攻は封じられるが
変化球にはしばしば弱さがでて取りこぼす

CHEN Mengの精神面では
東京五輪が近づくほど重圧を感じているだろう
DING Ning・LIU Shiwenにつづいて代表入りするはずが
DING Ningが外れ LIU Shiwenも落選ならば
責任がCHENひとりののしかかる構図ができる
ほかが年齢の離れた若手2選手では CHENが頼るわけにもいかない

せめてZHU Yulingがいれば 責任が二分されるのに。
いまCHENはLIUの復帰を切実に祈っているだろう
ここから五輪まで日を追うごとに
CHEN Mengは重圧を感じていかざるを得ない

伊藤美誠の対CHEN Mengの視点では
サーブは
ロングサーブは効いて CHENもレシーブ失敗は織り込み済みで
伊藤のショートサーブに集中している感がある
この変化系のサーブで CHENのフォア前でもフォアミドルでもよいから
CHENが回転をよく読めない状況をつくりたい

ラリーは
CHEN Mengはミドルへ回転のかかった遅めの打球を集める
速攻を封じられた伊藤は
CHENの間合いのラリーで打ち勝てればよいが
さらに強化したフットワークを使っても劣勢ならば
回転の変化を織りまぜたい
変化技は幾つもあるし
さりげないカットブロックも有効だろう

③SUN Yingsha
東京五輪模擬大会の3冠達成で現役№1を
印象づけたSUNだったが
その大会でコケて戦わず仕舞いだったCHEN Mengと
全中のWS Fで激突
戦前は優勢の予想だったが 0-4で敗北
CHENに速攻を封じられて 従来型のラリー戦に終始した

SUNはもっと打点の高いところで打ちたかったが
CHENの打球の回転が多いのか
いつもよりはやや引いての対応はSUNの土俵ではなかった
第3Gからは促進ルールが適用されるほど遅い展開となり
CHENの作戦勝ち

SUN Yingshaの精神面では
SUNよりも上位の選手たちがどんどん脱落してきたので
追う側の心理としては楽な展開といえる
しかし シニアの代表 それも主力の経験はほとんどない
2019年のW杯団体戦くらいで
今後は勝つ卓球から中国伝統の負けない卓球を求められる
これから東京五輪までは
覇者中国代表の重圧を日増しに感じていくだろう

伊藤美誠の対SUN Yingshaの視点では
サーブは
ロングサーブは有効だが
2019年のスウェーデンOPの初勝利では
試合のなかで回転の強弱をつけたような巻き込みサーブがよく効いた
その後は対応されているが。
やはりCHEN Mengと同様 有効なショートサーブが欲しい

ラリーでは
速攻を封じてくるCHEN Mengとは異なり
自身も速攻型のSUNは伊藤の速攻を受けて立つ形になる
両選手の戦いはすべてがウイニングショットのような
緊迫した短いラリーが多い
伊藤は CHENよりはやりやすいはずだが勝ちやすいわけではない

高速ラリーで優勢ならばよいが劣勢ならば
やはり対CHEN Mengと同様
変化球を織り混ぜるのがよいだろう
SUNは一本調子のところがあり
タイミングが狂って失点がつづくことがしばしばあるので
変化で幻惑したい

④まとめ
伊藤美誠の対CHEN Meng・SUN Yingsha対策としては
サーブ
ロングサーブが有効であるので ショートサーブの重要度が大きい
CHENに対しては毎回効くショートサーブを探っている感じがする
伊藤のサーブの回転に神経を使わせることで
先手をとれれば速攻につなげられる

ラリー
伊藤の基本はフォア側を中心とした前陣速攻であること
また 前がかりのバックプッシュも得点率が高い
とにかく前傾姿勢を保てれば優位に立てるが
CHEN MengもSUN Yingshaも 伊藤のフォア速攻を封じて
バック対バックのラリーを仕掛けてくるだろう

バック対バックでは
長引けば相手の圧力に押されてしまうだろうから
伊藤としては バックプッシュを狙いすまして打つか
なんとかフォアへ回して隙あらば叩きこむかの
速攻の姿勢を常に見せて相手へプレッシャーを与えたい

半年以上の休止期間でフットワークをさらに強化して
大きなラリー戦にも自信ができたかもしれないが
中国側が嫌なのは伊藤の速攻であり
上回転のドライブ合戦ならば彼女たちの望むところだ
大きなラリー戦で優勢ならばよいが劣勢ならば
回転の変化で局面を打開したい

特にCHEN Mengはラリー中の回転の変化の見極めに弱みがあるので
伊藤はカットした回転を織りこんで CHENのミスを誘いたい
前後に揺さぶれればさらに効果的だろう
SUN Yingshaも高速卓球だけにタイミングを狂わせると
打ちミスしやすい

精神面
中国首脳は W杯に出場権のあるZHU Yulingを辞退させて
代わりにSUN Yingshaを送りこんできた
これでCHEN Meng・SUN Yingshaの2TOPを
露骨に伊藤美誠に当てつづける中国首脳の戦略が明白になったが
この戦略は失敗するだろう

というのも 追う側の伊藤美誠にとっては
対戦機会が増えるメリットのほうが大きい
伊藤は 対戦のつづいたDING Ningを攻略し
XDではXU Xinの打球を受ける回数が増えるにつれて
対応力があがっているのであり
それは中国女子2TOPでも期待できる

また 伊藤が負けつづけたとしても
5敗も10敗も追う側には大した差ではなく デメリットはほとんどない
1回でも勝てれば対等の心理状態になるから
むしろ勝ちつづけることを強いられるCHENとSUNのほうが
心理的な負担は大きい

CHEN Meng・SUN Yingshaは東京五輪まで常勝中国の重圧を受けつづける
伊藤は精神面では自身のほうが優位にあることを
常に意識しておくべき
とりわけ五輪のような大試合では最後に勝負を分けるのは
精神力であるのは世の常で
日本開催の地の利もある伊藤美誠が優勢であるのは間違いない
2020-11-05 07:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 16 中国攻略計画

①現状

②淡泊

③ラリー

④サーブ

⑤結び

1/22
2020年7月時点の現在地 ITTF参照
伊藤美誠 vs 中国TOP6 vs 日本女子
(0-4)CHEN Meng(42-4)
(1-5)SUN Yingsha(35-4)
(2-1)LIU Shiwen(62-4)
(2-8)WANG Manyu(33-3)
(4-11)DING Ning(75-9)
(2-3)ZHU Yuling(72-8)

伊藤美誠 vs 中国第2集団 vs 日本女子
(1-3)WANG Yidi(20-6)
(1-4)CHEN Xingtong(35-7)
(0-5)HE Zhuojia(18-2)
(3-1)QIAN Tianyi(28-5)
(4-3)GU Yuting(36-8)
(1-0)ZHANG Rui(13-6)
ITTF参照

2/22
中国女子主力のなかで未勝利はCHENとHEだけ
そして 現在の力関係はちょうどランク順といえる
かなり優位
伊藤>>DING Ning・ZHU Yuling
やや優位
伊藤>LIU Shiwen・WANG Manyu
ほぼ互角
伊藤≒CHEN Meng・SUN Yingsha

3/22
①淡泊
14・5歳で年間100試合以上をこなしていたときの伊藤は
とんでもない格下相手にでもコテンと負けることがあったが
非中国選手への敗戦自体がなくなったいまは
中国女子に対してのみ
伊藤は諦めの早さがときに顔をだす
負けるとわかっていて頑張るのはつらいものだ

4/22
敗勢の今回は諦めて 練習を積んで
次回に挽回するというやり方もあるだろう
実際にDING NingにドイツOPであっさり負けてもカタールOPで勝っている
カタールOPであっさり負けたCHEN Mengにも次は勝つ可能性もある
その方策は合理的ともいえるが
次回がある通常のツアーはそれでよいとして

5/22
懸念されるのは最大目標の五輪ではどうか
今回は負けそうだから次のパリでやり直そうとはなるまい
五輪の伊藤は敗勢になっても諦めずに死ぬ気で戦うに違いない
しかし 心は簡単に切り替えられても 肉体はどうか
からだは正直で 通常は諦めている場面で限界突破できるのかどうか

6/22
通常から敗勢のときでも一生懸命にからだを動かしていないと
大試合のときだけ突然動かせるわけではあるまい
大逆転は日頃から全力を尽くしている選手に訪れる幸運であって
大試合だけ特別に頑張ろうとする選手には
卓球の神様もそれなりの小さな運を恵むだけではないか

伊藤美誠の敗戦に関しての総合的な考察はblog記事
2017/11/18 みまの負け方 その1~6

7/22
②ラリー
前がかりの速攻が炸裂すれば中国女子も圧倒できることは
2018年のスウェーデンOPで証明した
以来 中国全体が伊藤のミドルに球を集めて
バック対バックのラリーを徹底した
このバック面表ソフトの異質型への伝統的な攻略法が
伊藤にも効いて2019年前半までは苦しめられた

8/22
9月にひと月ほどの空白期間があり 復帰したときには
懸案だったバックが高い打球点から押しこめるようになって
バック対バックのラリーが互角にできるようになった
また フットワーク主体の基礎強化から
左右への動きが素早くなり フォアの主にスマッシュ系が安定した

9/22
2019年のスウェーデンOPで
前がかりの速攻 フォアもバックも打球点の高い押しこむような攻めができれば
中国TOP陣と互角に戦えることを再び証明した
すぐに 中国首脳陣はロングサーブ戦略をもちだしてきたが(サーブの項)
2020年は中国の伊藤への対応に統一性がなくなっている

10/22
DING Ning・ZHU Yulingは伊藤の速攻にお手上げの感があるし
LIU Shiwen ・WANG Manyuも サーブが効けばそこからの展開で優位に立てる
SUN Yingshaは伊藤の速攻に一番対応できる選手で
現状はお互い決定打がなく拮抗している
まだ伊藤が未勝利のCHEN Mengのみが伊藤の速攻を封じているといえる

11/22
CHEN Mengは 前がかりの伊藤の深いところに
回転を利かせたややループ気味の返球をするなど
伊藤の速攻をやりにくくしている
どっしり構えたラリーはCHENが優位なので 現状最も攻略が難しい
伊藤は基本的にサーブ・レシーブでの優位で勝つタイプだが
その点でもCHENに攻勢をとれていない

12/22
④サーブ
冒頭に掲げた現状の力関係はそのまま
伊藤のサーブの有効度ランクともいえる

かなり優位
伊藤>>DING Ning・ZHU Yuling
やや優位
伊藤>LIU Shiwen・WANG Manyu
ほぼ互角
伊藤≒CHEN Meng・SUN Yingsha

13/22
DING Ningは 直近の試合を見る限り
フォアミドルの下回転系のサーブに合わせられず
3球目以降の伊藤の攻撃を止められなかった

ZHU Yulingは伊藤のサーブのロングとショートの予測が
うまくできない印象で TOP6では一番手こずっている
たぶんZHUの待ち方の癖を伊藤が把握している

14/22
LIU Shiwen・WANG Manyuは
伊藤の主に巻き込みサーブが効いてそこからの速攻で有利
両選手ともバランスがよく穴がないから
サーブの優位がないと 勝つのは難しい
逆にいえば サーブが効く限りは伊藤が勝ちやすいが
両選手とも対策はしてくるだろうから容易ではない

15/22
CHEN Meng・SUN Yingshaには サーブも互角の印象
伊藤のロングサーブは両選手にももちろん有効だが
あまり気にしていないようだ
特に CHENはロングサーブの失点は割り切って
もう1本のショート系を得点して
伊藤のサーブ権を1-1にできれば十分の計算か

16/22
伊藤がSUNに初勝利したときには
SUNのフォア前への巻き込みサーブがよく効いてエースも多く
3球目以降の広角攻撃にもつながった
CHENにはそのショート系がそう効果的ではなく
先手をとれない
試合ごとに 伊藤が効くサーブを探っている印象がある

17/22
また 中国の伊藤へのバック対バック戦術が
2019年のスウェーデンOPで伊藤に対応されてから
伊藤へのロングサーブの徹底戦術もあったが
これもフットワークを強化した伊藤が
回り込んでのフォア強打などで対応できるようになったので
脅威ではなくなった

18/22
⑤結び
現状 CHEN Meng・SUN Yingshaが最強の敵であり
DING Ning戦勝利で見せたフォアのスマッシュ系の精度が
速攻に合わせられるSUNや速攻を封じるCHENにも
変わらずに発揮できることが第一に求められる

19/22
そのためにも サーブ
ロングサーブは現状維持で十分として
ショート系を効かせられるか
特に CHENには フォア前であれフォアミドルであれ
もうすこし効果的なショートサーブが欲しい
五輪までの残り期間でそれを見つけられるかが
大きな鍵になりそうだ

20/22
以上の2点を
当然チームみまもこの休止期間中に強化しているはずだから
東京五輪前に SUN Yingshaに2勝目
CHEN Mengに初勝利をあげるのは時間の問題だろう
もちろん 東京五輪にはどの中国選手が出場しても
伊藤が2連勝できるだろう

21/22
上記を書きためていたら 中国の五輪壮行会に
LIU Shiwen・DING Ning・CHEN Mengが出席との中国報道
代表決定は未確認だがこの3選手とすれば
万が一中国が敗北した場合
DING Ningならば批判はでないが
SUN Yingshaを抜擢して敗因となった場合
執行部が批判される可能性があるからか

22/22
どの国の執行部も体質は同じだろうが
中国首脳も責任論は回避したいところだろう
伊藤にとっては 現状の力関係では
対SUN Yingshaよりは対DING Ningのほうが勝つ確率は高く
望むところだろう



以上 2020/07/05記

追記 2020/10/26
「Playback みま まとめ」 2020/09/18が
この項目の延長線上なので こちらにも掲載

2019年の伊藤を改めて見返して気づいたのは
どの選手でもそうだろうが
体重の乗った前傾姿勢のときは成績がよく
体重が後ろに残っているときは悪い
心理面で気後れして体重が乗り切らない場合もあるし
体調自体が悪くて重心が後ろに残る場合もある

精神面と肉体面と両方が揃って
前傾姿勢が無意識のうちにとれるのが
いわゆる好調時だ
どちらかが欠けると不調に陥る
逆から見ると
前傾姿勢を敢えて意識して整えることで
気後れや体調不良をカバーすることもできるのでは

偉大な選手が常勝を体現できるのは
形勢不利のときも体調不良のときも
そういう修整ポイントをもっているからだろう
会場に鏡が設置してあるわけではないから
試合中の選手が姿勢を客観視するのも難しいだろうが
伊藤の次のステップにつながるにちがいない


2020-10-26 07:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 15 ダブルスの申し子

1
2019年現在の日本女子では
伊藤美誠と早田ひなは
ダブルスの申し子といえる選手だろう
この考察では伊藤に関しての割合が大きくなる
伊藤のダブルス能力には彼女ならではの特徴が2点ある

2
①サーブとレシーブでの得点
一般にダブルスでは サーブの可能エリアがコートの半面に
限定されるためにレシーブ有利といわれるらしいが
伊藤美誠はその狭い範囲でもサービスエースをとれるとともに
サーブレシーブでもエースがとれる その確率が他選手よりも相当高い
重要なのは この得点能力は伊藤の個人技に属するものだから
ペア相手が誰であれ 変わらないこと

3
②戦型の有利
日本女子でこそ ダブルスは前衛異質型/後衛ドライブ型が
一般的といえるほど普通だが
海外選手では ドライブ型/ドライブ型が主流だろう
そして 敵味方双方がこのタイプの場合
サーブとレシーブを終えたら みんなで楽しく打ち合う
欧州ペアを見ていると そういう雰囲気が漂う
中国 vs 香港でも華々しいラリー戦が多い

4
しかし 伊藤ペアが対戦すると 状況が一変する
ドライブ性の上回転の打球はすこしでも浮けば
伊藤にとってはチャンスボールであり みな叩いていく
だから ラリーがつづく前に 得点してしまうことが多い
ドライブ型ペアの常識を 伊藤は逸脱している

5
欧州ペアは伊藤ペアとはやりたくないし 面白くもないだろう
この得点能力も伊藤の個人技に属するもので
ペア相手にあまり左右されない
理論上は 異質型の選手は同じ得点能力があるはずだが
現実にはそうでもないのは 伊藤の個人技のレベルが高いからだろう
こうして ①②の優位によって 伊藤美誠は
ペア相手を選ばずに得点可能なので
ダブルスにおいての得点能力が極めて高いのだ

6
③ダブルス能力
伊藤の場合 3番目に本来のダブルス能力がでてくる
本来のというのはペア相手との連携やカバーの能力が挙げられる
いかに対応力があるかは 伊藤美誠は左の早田ひな・石川佳純
男子の森薗政崇・水谷隼と 相手が誰でも好成績を残している

7
冒頭で申し子としたもうひとりの早田ひなも
伊藤美誠・平野美宇・浜本由惟 男子の張本智和と 相手を選ばない
右の伊藤はペアは左がベストでも右利きの選手とも可能だが
左の早田はやはり右利き選手に限定されるだろう
その面では 伊藤のほうが万能性がある

8
伊藤に関しては 平野美宇とのみうみまペアも一世を風靡したが
リオ五輪後の再結成では お互いにからだが成長して
プレイ領域も重なってしまったことで 結果を残せなかった
また 直近の丹羽孝希とのペアは相性が悪かった
丹羽がカバータイプではなかったことが大きい

9
伊藤美誠と早田ひなの有利点は男子の打球を苦にしないことだ
これは五輪に採用されたミックスダブルスにおいて
非常に重要視される
中国女子はもちろん 各国№1ペアの女子は男子の球を強打できる
ふたりはその点で世界レベルであり
ほかの日本女子も今後そのレベルを求められる

10
伊藤美誠は前衛の攻撃タイプであり 早田ひなは後衛のカバータイプであり
体格差が大きいから 連携やカバー力は早田のほうがより優れているので
本来のダブルス能力は早田が№1ともいえる
しかし 試合を勝つという視点では 個人の得点能力が早田よりも高い
伊藤に軍配が上がる

11
ダブルスの伊藤を見ていると
ペア相手がチャンスボールをミスするなど調子がいまいちだと判断すると
伊藤が無理してでも自分で決めにかかって勝ちにいく
だから 得点伊藤失点伊藤という展開もよくある
ペア歴が長くダブルス巧者の早田には信頼して任せる部分も多いが
ほかのペア相手では危なくなれば
自分が得点して勝てばよいというスタンス

12
そこを理解してカバーできる選手が伊藤とペアの相性がよく
リオ後の平野美宇のように得点を張り合ってしまうと機能しない
サーブとレシーブも含めての伊藤の攻撃力を最大限に引きだせるペア相手が
本来のダブルス巧者№1である早田ひなであり
みまひなが世界ランク1位であるのも当然の結果なのだ










2019-07-21 07:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 14 バック面表ソフトラバー 追記

「バック面表ソフトラバー考察」の反応で多かったのが
裏/裏=ドライブ型では伊藤美誠は戦えないという指摘
バック面を裏ソフトにしても
ドライブ型になるのでもなく ラリー主体にするのでもなく
現在の表ソフトでの戦い方を継続することが 自分の主旨だったのだが
裏/裏=ドライブ型と常識的に解釈した人には 理解されなかった

裏/裏=ドライブ型の常識が堅固な卓球経験者には
フォア面裏ソフトでみまパンチやスマッシュ連発の伊藤は
常識外れの異端そのものだろう
その異端の戦いをバック面裏ソフトでも可能にするものが
伊藤美誠の天性と 自分は信じている
2019-06-30 07:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 14 バック面表ソフトラバー

1
ラケットを握ったこともない未経験者の考察で
的外れだったら 素人の専門家気取りと笑ってもらえばよい
対中国女子を想定(非中国選手には現状で勝てるので)
伊藤美誠へバック対バックのラリーやバック側へのサーブで
中国側が執拗に攻めるのは
伊藤のバック面が表ソフトで 回転のかかった強い球を返せないからだという

2
私見では 伊藤は自分のバックハンド(ラリーを含めて)に
いままで大きな自信をもっていた
対戦相手がバックを仕掛けてきても受けて立ち
非中国選手には勝ってきた
それが 中国女子相手では勝手が違って
力(回転量)で押されて 劣勢になるのは伊藤のほうだ

3
中国女子相手のバックのラリーで劣勢になる前に
伊藤は逆チキータほかで先手をとろうとする
以前の逆チキータは1試合に2・3回使うだけの秘密兵器だったのが
いまでは通常兵器に格下げしている
頻繁に使うために 中国女子も慣れてきて返されることも多い

4
変則チキータなども同様
去年伊藤条太が絶賛したバックハンドドライブは  VICTORY 2018/1/30 記事
ラリー中に連続して打てる感じではなく
変化技の多用に頼らざるを得ないほど
通常のバックのラリーが弱点と伊藤自身が意識しているのだが
結局 それはバック面の表ソフトが原因のわけだ

5
これは伊藤の個人レベルにとどまらない
異質型の塩見真希(フォア面)や木原美悠を見ても
表ソフトの本来の微妙な回転の変化は 現在の卓球では
強打されると変化を上書きされて
相手の打ち損じにならないことが多いように見える
とくに中国女子にその傾向が強い

6
表ソフトの本来の変化で得点できる割合が相当低く
逆チキータのように 意識して回転をかけないと効かないのでは
表ソフトのメリットがわからない
にもかかわらず 使いつづけるのは幼少期からの習慣だからで
筋力も技術も向上した現在の伊藤には
ドライブに有利な裏ソフトのほうが適しているのでは

7
バック面を裏ソフトに変えた場合
逆チキータや変則チキータは
加藤美優のミユータや早田ひなも使うから問題ない
ストップやツッツキの小技も皆が出せる
伊藤の主武器であるナックル性バックプッシュが  文春オンライン 2018/11/26 記事
裏ソフトでも遜色ない威力がだせるのかが最大の懸念事項だが
問題ないだろう 理由は8で

8
中国OP QF DING Ning戦
伊藤のフォア側の攻撃は強烈だ
みまパンチやスマッシュが直線軌道で返ってきて
さすがのDING Ningもとれない
あの直線軌道を
伊藤はフォア面裏ソフトで打っているのだ
あの感覚があれば バック面裏ソフトも使いこなせるはず

9
バックプッシュも的確に打てるならば
裏ソフトのほうがバックのラリーを楽に受けられるので
常に変化技に頼らずに済む
いまの伊藤は変化技で先手をとることで頭がいっぱいで 余裕がない
しかも 変化技が通常運転化したから
伊藤の思うほど 中国女子は意表を突かれていない

10
中国側が恐れるのは フォアもバックも 伊藤の直線軌道の速攻
打たれたら返せないから 打たせない対策になる
バックを攻められた伊藤が窮して変化技に頼る現状は
中国側の思う壺で 変化技は対応できるのだ
バック面裏ソフトでこの窮状を打破したい

11
裏ソフトでバック対バックのラリー自体も威力が増して
得点力がUPすれば
変化技を秘密兵器として温存できて より戦いやすくなる
いまの変化技は多用の弊害で 効果が薄い
バック面裏ソフトは 中国対策を越えて
現在の伊藤の戦い方に余裕をもたらすだろう

12
ドライブで有利な裏ソフトへの変更が
バックドライブのラリー戦術への転換を意味するのではない
バックのラリーの改善をして ライジングの速攻をより効果的にするのだ
ラリー中に みまパンチのように 直線軌道のバックプッシュを打てれば
強力な武器になる

13
もちろん表ソフトから裏ソフトに変えれば
打ち方も基本から変えるリスクはあるが
2017年に半年ほど
フォア面にテンション系から粘着ラバーを使用していた経験もあり
表ソフトを裏ソフトのように扱う伊藤の天性のセンスなら
裏ソフトに順応するのも早いはず

14
中国選手相手に1点をとることが大変と伊藤が迷路にいる現在
裏ソフトによるラリーの安定が ライジングの速攻に余裕をもたせ
伊藤の多彩な変化技をより効果的にするだろう
裏ソフトに慣れるまで時間が必要だが
五輪選考が大方決まったあとなら余裕はあるはず

この考察は対中国女子を想定してのこと


付録
去年 張本智和と伊藤美誠を
伊藤条太が世界最先端の卓球ともてはやしたときに
ふたりの目指しているのは 最先端ではなくて
中国に勝てる卓球だとツイートした記憶がある
ジャパンOPでともに中国選手に1回戦敗退したふたりは
その思いをさらに痛切に感じているだろう

当の伊藤条太はふたりを持ちあげるだけ持ちあげておいて
2019年の世界卓球前に
梯子を外してふたりを置き去りにしたまま 逃げだした
このライターのスタイルは目の前の現象を分析するだけで
過去の自分の記事との整合性の観念が乏しい

NEWSポストセブン 2019/04/16 記事









2019-06-23 07:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 13 みま式前陣速攻

1
スウェーデンOPの中国TOP3タテが みま式前陣速攻のひとつの到達点だった
しかし LIU Shiwen戦は大逆転勝利 DING Ningも逆転勝利
劣勢だったのが突如 打球点が合ってきて そこからは無双してしまう
フォア側のミート打ちやスマッシュのタイミングを合わせる難しさがあって
伊藤が意識して合わせたというよりは 自然とフィットした印象が強い
決勝のZHU Yuling戦のみは最初から完璧だった

2
伊藤自身もあのときはゾーンに入っていたと言及しているが
神がかった特別の状態で 通常はできるものではないという意識があるのだろう
そして その後の伊藤はラリー主体の戦い方へ舵を切ってしまったように見える
打球点が最適なら無双できるものの それがいつ訪れるか
伊藤本人にもわからない不安定さを回避するかのように

3
伊藤には14歳最強説が2018年の全日本初優勝前まで
停滞期によく浮上した
実際 2015年ドイツOP優勝から世界卓球8強あたりは
子ども体形のからだが本能のままに 考えるよりも早く動いて
勝手にブロックしているような軽やかさがあった
その後からだが成長して体重も増えて

4
無意識の軽やかさは失われ
意識して動かないと動けない成長期に入った
それはフィギュア女子がシニアになると
ジュニアでは苦もなく跳べたジャンプが
急に失速して跳べなくなるのと似ている
その半面 筋力が向上したこともあって
打球は力強くなったが 精度が低かった

5
フォアの打撃は低かった精度が
2017年中に改善されたが
フォア側の速攻自体はリオ五輪後の停滞期に徐々に減っていた
2018年の全日本初優勝は
同年11月のスウェーデンOPと同様に
伊藤がゾーンと表現した無双状態だったが
2019年にラリー主体で2連覇できたことで
ラリーにさらに自信を深めたようだ

6
しかし スウェーデンOPのみま式前陣速攻の無双ぶりは
異次元空間の出来事で再現不可能なのだろうか
フォア側の攻撃自体は フットワークや体幹の強化で精度が増したのだが
ブロックやみまパンチのような微妙なタッチは
依然安定度が低いのか 反比例して少なくなった

7
みまパンチは練習したことがないとTVで発言していたが
ブロックやスマッシュも同様で
伊藤は速攻の練習をしていないのでは
それは3球目・4球目攻撃のパターン練習という意味ではなく
ラリーのなかで瞬間的に決めることを
意識的には練習していないように見える

8
確実性がばらつくのはスマッシュ等の打球点を合わせる難しさだが
幼少時からの本能的なタッチに依存していて
練習でつくりあげたものではないから
意識的な調整ができないのではないか
試合の千変万化の生きた球をヒットするのは
決めごとの反復練習で上達させられるものではないと

9
伊藤本人が思いこんでいるようにも見える
フォア側のブロック・ミート打ち・スマッシュも
試合形式のなかで瞬間的に決める練習を繰りかえしていけば
打球点がもっと安定して いまよりは意識して打球点を微調整できて
スウェーデンOPのゾーンを再現できるのでは と思う

10
世界卓球に焦点を合わせれば
SUN Yingshaがミドルへのロングサーブを多用するなど
執拗にバック対バックのラリーにもちこんだのは確かだ
しかし 伊藤も多彩なバックハンドのレシーブを試すよりも
ラリー勝負を受けて立ったように見えるのだが
封じられて仕方なくかは 素人観測では判断がつかない

11
バック対バックではSUNがほぼ制したのだが
バックプッシュは打球点の早いときは決まっている
相手の動きを一瞬見て打つから 対応が間に合わない
球よりも早く動けないかぎり
対策はできないだろうから 今後も有効な速攻だろう
これを嫌ってフォアを攻めてくれれば 好都合だ

12
バック側の速攻は
変則チキータやワイパー式ナックルなど「緩」攻撃用で
逆チキータも微妙だ
早田ひなは 逆チキータを小さい動作から速い打球にして
カウンター攻撃を仕掛けられる
伊藤も これまでの「緩」攻撃のレシーブから派生させて
「急」攻撃用レシーブもつくれるのでは

13
バック対バックのラリーで
フォア側のブロックやスマッシュを封じられるならば
バックから相手がフォアへ回すような仕掛けを考えたい
相手が伊藤のフォア側へドライブした球を
フォア側のカウンターで仕留める形が
速攻パターンのひとつに欲しい
ラリーをつづけても 表ソフトは不利になる

14
これまでドライブ型のラリーを向上させてきたが
その方向は小柄な体格にはほぼ限界点へ到達したように見える
今後はむしろ どう速攻を仕掛けるかを考えるほうが
現実的であり より勝利に結びつくだろう
その観点で 中国OPで混合ペアを組む丹羽孝希のカウンター技術は
ぜひとも参考にしたい

15
フォア側の速攻は難しいが 逆説的には
再現性が高ければ真似も容易なのであって
希少な優位は失われる
誰も追随できないからこそ みま式前陣速攻の強みがある
フォア側の速攻こそが
伊藤が美誠王へ変身する最大の武器であるのは間違いない

実戦形式のなかで 速攻を主体とした練習をする
その場合 練習相手も全日本16強までの男子に
レベルアップしたほうがよいのでは
すでに女子ではTOPのレベルにある現状をさらに向上させるには
より難易度の高い打球をカウンターする必要がある

16
最後に 精神力の側面
世界卓球で対戦した伊藤美誠とSUN Yingshaが
五分五分の精神状態であったとは 結果論でなく言い難い
過酷な国内選考会を勝ち抜いて意気上がるSUNと
もっとも避けたい相手を自分で引いてしまった伊藤では
心理面では勝負する前に大きな差がついていた

17
総じて 中国女子は第2集団以下の選手でも
自分は勝てると信じて向かってくる
それは中国選手は負けてはいけないという使命感であって
合理的な分析で日本女子 とくにTOPとの力量差を計測してのことではない
一方 日本女子はたぶん全員 心臓に毛が生えているはずの伊藤でさえ

自分は負けるだろうと思う部分が心のどこかにあって中国女子と戦う
やはり この差は大きい

18
総論では中国との実力差があるとしても
目の前の試合は別物と割り切らないと
実際以上の劣勢を強いられる
とくに伊藤は 実力が上回っている場合でも
みずからを不利な心理状態に追いこんでしまう傾向にある
スウェーデンOPの決勝戦のような
相手を飲みこむ気迫が通常でもあれば
美誠王が常在するのだが



2019-05-19 12:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 12 異端のチキータ その3

ジャイロチキータは 起源は未確認だが
数年前から 主に丹羽孝希が使っていたのを
面白いと思った伊藤美誠が 2017年から取りいれたと推測している
さほど普及していないのは
ジャイロは タッチが難しそうな上に 球速が劣るからだろうか
しかし 本家チキータよりも優れた点もある

本家チキータは順横+上回転が主だが
ジャイロチキータはさらに
順横+下回転や順横回転のみも出せるという
サーブと同様に 球と接触するラケットの箇所を変えることで
回転にいろいろな変化を与えられるのだ
独特なタッチをもつ伊藤美誠に
お誂え向きの技術ともいえる

2018年 世界選手権団体 F
変則チキータは3回使われただけだったが(1回は失敗)
LIU Shiwen戦の勝利に十分貢献した
ラリーのなかでは 相手の打ち損じを誘う「緩急」の緩の役割
みま版逆チキータのように
みま版チキータをさらに洗練させて
伊藤美誠は独自の異端のチキータを完成させるだろう

2018-05-20 13:00 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :

天才・伊藤美誠論 11 異端のチキータ その2

伊藤美誠の変則チキータをはじめて見たのは
2017年4月の世界選手権 対GUI Lin戦だった
みまの見慣れないプレイに 実況アナが「逆チキータ」と説明
いや違うぞと見ていたら
2回目のときに 解説の樋浦令子が「チキータ」と正して
これがチキータかと驚いたのだった

実は 2月のカタールOP 対WANG Manyu戦で
1回合わせ損ねた失敗があって 時系列的にはそれが初見だったと
あとから動画を見直して気づいた
2016年中に変則チキータを見た記憶はないが
気づかずに見落とした可能性もある

伊藤美誠の 本家とは異なる変則チキータは
バック面の表ソフトでも順横回転をかけるための苦肉の策で
当然みまの独創性あふれる異端のチキータと思ったが
調べてみると ぐっちぃ動画に(ぐっちぃさん命名の?)
ジャイロチキータとして 数年前からUPされていた

ぐっちぃ動画では
「超曲がるジャイロチキータのこつ」  2015/06/16記事
「振り子チキータ」  2016/01/19記事
「上級者のチキータのこつ」  2018/03/22記事 など
どの解説も 伊藤美誠の変則チキータとは 多少ズレを感じるが
時系列的に こちらが元型であるのは確かだろう

つづきはその3で
2018-05-20 12:50 : 天才・伊藤美誠論 : コメント : 0 :
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プロフィール

kittyoyaji

Author:kittyoyaji
一般にその競技が好きな人は男子を見て
レベルの劣る女子はついでだそうな
一方で 女子メインの少数派もひっそり存在するらしい
自分はそのひっそり派で しかも
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